「うっ……すいません、ちょっとトイレ行きます!!!」
前編では、時化(しけ)で激揺れする船内の厨房にて、
猛烈な船酔いに襲われて限界を迎えたところまで
お話ししました。
プロとして厨房に
立ち続けなければいけないというプレッシャー。
しかし、限界を迎えた私の身体は、
もう一刻の猶予も許してくれませんでした笑
後編となる今回は、人生初の「撃沈」を味わった僕が、
どのようにしてその地獄を生き延び、
少しずつ「海の男」になっていったのかをお話しします!

船など航路によっては見れない奇岩。コオロギとか大きいらしいです。何食ってんの….?
狭いトイレの中で味わった、人生最大の絶望
厨房を飛び出し、
手すりにしがみつきながら
フラフラと探す船内のトイレ。
はい。そこでミスりました。
船内のトイレって意外に少ないんですよねぇ…..
キャビンには備え付けられてるんですけど
仕事場の周りって男性用のトイレが一つあるだけで…
きむ男性用のトイレしかない….!?



そんなのに吐いたら、船内噂になる….
吐くのをグッと抑え..
必死に自分のキャビン(部屋)まで早歩きで
向かいました….
キャビンに着きトイレに鍵をかけた瞬間、
僕の胃袋は完全に崩壊しました。
「オロロロロロロロ……ッ!!!!」
はい、撃沈です。完全にノックアウト。
さっきまで包丁を握っていた19歳の男が、
トイレの床にへたり込み、
便器を抱きしめながらボロボロと
涙を流しているわけです。(泣いてるわけじゃない笑)
もうね、プライドとか、
そんなものは太平洋の露と消えました。笑
だって、みんなの前で吐きそうな雰囲気出して、
顔はベイマックスだったんですよ!?笑
プライドなんか、きえる!笑 きえる!笑



「なんで俺、船の上で料理作るなんて言っちゃったんだろう……」
「陸に帰りたいよぉ!……しぇふーーーーーーー!!!!」
冷たいトイレの壁に頭をくっつけながら、
激しく上下する船の揺れに合わせて
胃液を吐き出す作業。
まさに地獄。
これ以上の拷問がこの世にあるでしょうか。
マーライオンの如く。


先輩の容赦ない一言と、プロの洗礼
どれくらいトイレに引きこもっていたでしょうか。
ノックの音が「コンコン」と響きました。
先輩コックの声です。
「おい、生きてるか〜?」
「す、すいません……私、もうダメかもしれません……っ」
泣きそうな声で返事をする僕に、
先輩が放った言葉は、
優しく背中をさすってくれるようなものでは
ありませんでした。
「まあ最初はみんなそうなる(笑)。で、今日の昼飯の仕込み、どうする?」
「…….容赦なさすぎるだろ!!?笑」



○○さんw大丈夫??www



すいま…せん..やばいっ..す……



きゃははwwそうよねwきついよねww
….でさ!w昼の仕込み大丈夫そ?◠‿ ◠



…は、はい!!!よゆうです!!!!すぐいきます!!
(….マジ先輩方強すぎだろ..容赦ねえ….)
そうだった…..
僕がトイレで撃沈してようが、
地球は回っているし、
船は進んでいます。
「自分が倒れたら、他の誰かに迷惑がかかる」
その現実を突きつけられた瞬間、
冷や汗と一緒に、なんだか
妙な腹の括りが生まれました。
復活への第一歩! 先輩直伝の「船酔い対策」
口をゆすぎ、歯を磨き、消毒を経て
フラフラの足取りでトイレから出てきた私に、
先輩はニヤニヤしながら
飲み物を差し出してきました。
「ほら、これ飲んで、これ口に入れてみ」
手渡されたのは、キンキンに冷えた炭酸水



絶対嘘やん…
気持ち悪いのに腹に入れるとか
また吐くやん….マジで鬼だろ….
絶対面白がってる…..
(ちきしょー…..)
内心、こいつ(先輩)…….また何か企んでやがる….
と思いながら炭酸水を流し込むと……
あら不思議。
スーッと胃の不快感が引いていくじゃないですか!?
さらに先輩は言いました。
「あとさ、空腹が一番酔うんだよ。
気持ち悪くても、腹に何か入れとき」
そう、船酔いって「気持ち悪いから食べない」のが
一番悪循環なんですよね。
- 炭酸水: 胃の中のムカムカをシュワッと散らす
- 遠くの水平線を見る: 近くのグラグラ揺れる壁を見ない!
- 何かご飯を少しでも入れる!!!:胃が安定するそうお茶漬けが一番私はよかった!!!
ただ柑橘系の飲み物とかはやめたほうがいいらしい!!
気持ち悪さが増えるらしいです!!!



いじって悪かったよww
キンっキンっの炭酸水
持ってきたからw
あとお茶漬け食べとき(`・∀・´)



えぇー!?せーんーぱーい!(〃ω〃)
(さっき疑い過ぎてごめんなさーい!!!)
胃が空っぽになると、
胃液が暴れてさらに気持ち悪くなる。
お茶漬けを食べ、再び包丁を握りしめた私。
もちろん揺れが収まったわけではないので
気持ち悪さは残っていましたが、「腹を括った」おかげで、
なんとかその日の昼食を作り終えることができました。
まとめ
人生初の船酔いで撃沈し、
人間としての尊厳を失いかけた19歳の秋。
でも、
この地獄の拷問のような経験があったからこそ、
私はちょっとやそっとの揺れでは動じない
「タフなメンタル」と「海の上のプロとしての意地」
を手に入れることができました。
(※ちなみに、この数ヶ月後にはどんなに大時化で船が傾こうが、
普通にラーメンをすすれる体に進化していました。人間の順応力って怖いですね!笑)
激揺れの船内で限界を突破し、
身も心もボロボロになりながら
耐え抜いたあの暗黒の日々。
あ、でもちなみにそれまでは酔い止めめちゃくちゃ飲んでました!!
めちゃくちゃ先輩と上司に怒られましたけどね笑
次回も船員生活お話しをしようかなあ
แล้วพบกันใหม่ !!!!!!
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